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バラのお話いろいろ


< バラの歴史 >

バラの原種は、北半球に原生する植物だったようです。バラの栽培は、約5000年前の中国と現在のイラクで 始まったといわれています。
ホメロスの叙事詩「イリアス」は紀元前1200年頃に書かれましたが、その中では、ヘクトルに勝利したアキレスの盾が バラで飾られ、ヘクトルの亡骸はバラの油で清められたとされています。
暴君として名高いローマ皇帝ネロは、無類のバラ好きで宴会の度に多くのバラを集め、客たちに大量のバラを振りかけたと いわれています。また、ローズウォーターを使った風呂を招待客に供したともいわれています。この浪費と逸楽の日々が、 ローマ帝国衰退の一因ともいわれています。
1272年、イギリスのエドワード1世は、十字軍遠征から帰還すると自邸の庭にバラの木を植え、自らの紋章を金色の バラとしました。
15世紀イギリスで起きたバラ戦争の時、赤いバラ「ロサ・ガリカ」はランカスター家の紋章であり、白いバラ「ロサ・アルバ」 は敵方ヨーク家の紋章でした。しかし、ランカスター家のヘンリー7世とヨーク家のエリザベスの結婚によってこの戦争は終結し、 ヘンリー家の新しい紋章は、赤いバラの中央に白いバラがデザインされたものとなりました。以降、バラは英国王室を象徴する 花となりました。
17世紀、ナポレオン1世の皇后ジョセフィーヌは、パリ郊外のマルメゾン宮にある自分の庭園に世界中から、新種のバラを 集めました。結果、庭園では250種類以上のバラが育てられるようになったのです。ちなみに、彼女は新種のバラを手に入れる ため、ナポレオン戦争の間も敵対するイギリスのバラ育種家を庇護したといわれます。
皇后ジョセフィーヌがマルメゾン宮の庭園で数々のバラを愛でたように、バラの輝くようなすばらしさを私たちも楽しみましょう。



< バラの神話 >

ギリシャ神話では、愛の女神アフロディーテが巨大な帆立貝の中から誕生したとき、空からバラの花びらが 降ってきたといわれています。また、アフロディーテが瀕死の状態にある恋人アドニスに駆け寄ろうとして、白いバラの 生け垣につまずきバラの棘で擦り傷をつくり、血が落ちたところに赤いバラが育ったといわれています。
別のギリシャ神話では、コリントの女王ロデが女神ダイアナの神殿に逃げ込んだとき、彼女は神殿には受け入れられましたが、 そのあまりの美貌ため、人間たちが女神ダイアナよりもロデを崇拝しはじめました。一計を案じたアポロ神は、女神ダイアナ への侮辱を罰するため、ロデをバラの茂みに変えてしまったということです。
ローマ神話では、ジュピターがヴィーナスの水浴を覗こうとしたため、ヴィーナスが顔を赤らめて、赤いバラが生まれたと されています。また、ヴィーナスの息子キューピットが蜂に刺された拍子に、近くのバラの茂みに向かって矢を放って以来、 バラにはトゲができたといいます。
イスラムの伝承では、蓮の花が花弁を閉じて眠った夜に白いバラが生まれ、赤いバラはある夜、鳥のナイチンゲールが白い バラと恋に落ちて熱烈に抱き合ううち、バラの棘で胸を刺しその血が白いバラを染めてできたといわれています。 また、バラは預言者マホメットの汗の滴だともいわれています。
19世紀のヨーロッパでは、花嫁は結婚生活が幸せなものであるように願って、バラの花束を身につけたそうです。



<ブルガリアのバラ・その伝説>

山地が多く変化に富んだ地形のブルガリアは、豊かな自然とともに、 ヨーロッパ最古の文化の地としても有名です。 ワルナ・ネクロポリスなど数多くの遺跡をはじめ、修道院や教会の建築や壁画の素晴らしさは訪れ る人々を魅了します。 黒海沿岸の美しいビーチや温泉、山岳地帯でのスキーなどリゾート地の魅力も見逃せません。 バラの渓谷の絵に描いたような美しい町は、是非一度訪ねてみたいものです。
バラの物語はそんなブルガリアを舞台に始まります。

「古代神話には、バラはもともと純白だったとあります。赤いバラは、愛と美の女神ヴィーナス が、深手を負った恋人アドリスのもとに駆けつける途中に、バラのトゲが足に刺さり、その血で染 まったと伝えられています。姿や色の美しさと香りから<花の女王>と讃えられ、古くから世界中 の人々に愛されてきたバラは、それゆえに多くの神話や伝説を残し、愛と神秘を象徴する花とされ てきました。
ブルガリアの人々の間では、<赤いバラは情熱的な愛><ピンクのバラは愛の誓い>そして<白い バラは求愛を表す>といわれています。 かつてヴィーナスに捧げられたバラは、今も真実の愛の証として、愛する人に誇りをもって贈られ ているのです。」

ブルガリアの<バラの渓谷>と呼ばれる地方の祝宴では、ゲストはバラの花を身につけ、小さなガラス 容器にローズオイルを入れたマスカルをギフトにします。一方、迎える人々は、バラのブランデーや バラのジャムでもてなすそうです。
さて、あなたはバラの愛と神秘を信じるでしょうか?
あなたが、あなたの恋人の愛の強さを知りたいのなら、バラの花びらを手のひらの親指と人差し指の 間に置き、もう一方の手で打ってみてください。 その時の音の強さが、お互いの愛の強さを表すといわれています。



<貴族とバラの花>

ヨーロッパの貴族たちは、バラを大変愛用していました。 バラの香水、バラのお風呂、バラ水、バラのお酒、バラのジャム なぜでしょう?
バラの花には、体の浄化作用を助ける働きがあり、特に肝臓に良いのです。 お酒好きの彼らは、香りを楽しむだけでなく、薬としても使用していたのです。
エッシェンシャルオイルの中でも、バラは、高価なものです。 一滴のエッセンシャルオイルを抽出するのに袋一杯の花びらが必要なのです。 うっとりとするゴージャスな生活ですね。



<クレオパトラも愛したバラの香り>

古代エジプトの女王クレオパトラは、こよなくバラの香りを愛し毎日、バラを浮かべた香水風呂に入っていました。
また、ローマ帝国のアントニウスがエジプトを訪れた時、クレオパトラは宮殿の廊下に50cmの厚さにバラの花を敷き詰めて、 彼を迎え入れたといいます。